皆様、こんにちは。
リハビリテーション部主任の栗本です。
股関節の痛みは、日常の動きを制限するだけでなく活動範囲を狭め、ひいては仕事を失ってしまうなど、生活の質を下げてしまう要因の一つです。
中でも、女性に多いといわれている変形性股関節症は、生まれつきかかりやすい素質をもった人がいます。
それは、生まれつき股関節の骨盤側の被膜が浅くきゃしゃな状態の臼蓋形成不全といいます。その素質を持った方が年を重ねるごとに関節のまわりの筋肉が落ち、体重も増え、関節がだんだん持ちこたえなくなり痛みが生じることが多くあります。
変形性股関節症の患者さまの約8割が臼蓋形成不全だといわれています。
早めにご自分の状態を把握し、悪化しないよう適切な時期に適切な治療を受けることで、変形性股関節症への進行を防ぐことができます。
股関節に負担をかけないためには、体重コントロールと筋力が大切です。
ジョギングは股関節への負担がかかりやすく、ヨガなどで無理な姿勢で股関節を広げることも、痛くなる傾向にあります。
プールでの水中ウォーキングや自転車は関節への負担を減らし行える運動です。
股関節周囲の弱った筋肉の筋力強化が望ましいですが、ご自分ではじめる場合痛くなることもあります。運動の強度は徐々に上げていくことがおすすめです。
歩いている時には体重の3~4.5倍の圧迫力が股関節に加わり、走っている時には体重の4~5倍に増加します。階段昇降や椅子からの立ち上がりでは、体重の6~8倍の力がかかります。さらに、床や低い位置からの立ち上がりでは、10倍の力が股関節にかかります。
重たい荷物をもって、これらの動作を行うと負荷は増加します。
また、体重が1㎏増加することで股関節への負担は3倍になります。
臼蓋形成不全の方は、早い段階から気をつけることで変形性股関節症への進行を防ぐことができます。
ご参考になればと思います(^^)