皆様こんにちは。 本日はリハビリテーション部の藤井が担当します。
患者さんとお話していると手術をする年齢についての質問を受けます。みなさん少しは気になる点かと思いますので紹介させて下さい。 ※手術すべきタイミングは様々な要因で決まります。 “年齢”もその中の要因ひとつに過ぎません。あくまで参考程度に捉えていただきたいです。
まずは、人工股関節と人工ひざ関節で比較をしてみたいと思います。 (見分けやすいように、平仮名で「ひざ」と記載します)
表 全国の手術をした患者数の年代別の割合(2016年)
人工股関節 (THA) | 人工ひざ関節 (TKA) | |
30歳代以下 | 2.0% | 0.1% |
40歳代 | 6.0% | 0.5% |
50歳代 | 25.0% | 4.0% |
60歳代 | 32.0% | 20.0% |
70歳代 | 27.0% | 50.0% |
80歳代 | 7.0% | 25.0% |
90歳代以上 | 1.0% | 0.4% |
人工股関節は、人工ひざ関節と比較すると、患者さんの年齢層が若いです。 人工股関節は60歳代にピークがありますが、 人工ひざ関節は70歳代がピークです。 さらに80歳代では、人工股関節が7%、人工ひざ関節が25%と 人工ひざ関節の手術の場合には比較的高齢になってから手術されている方が多いです。さて、当院ではどうでしょう。 2022年と2023年に当院で人工股関節の手術をした(これからする)患者さんの年齢分布です。手術をされた患者さんの平均年齢は2022年で63.7歳、2023年は61.7歳でした。
表 当院で人工股関節(THA)をした患者さんの年代別の割合
2022年 | 2023年 | |
30歳代 | 0% | 1% |
40歳代 | 4% | 9% |
50歳代 | 28% | 30% |
60歳代 | 40% | 41% |
70歳代 | 25% | 17% |
80歳代 | 2% | 3% |
90歳代 | 0% | 0% |
全国的な調査と似た年齢分布になっていますが、当院では60歳代の患者さんが多いです。もう少し細かくしてみると・・・
50歳代後半から60歳代後半の10年間に患者さんが多いように見えますね。
変形性股関節症の場合、変形性ひざ関節症と比較すると若くして症状が出現することが多いです。
人工股関節の手術をする患者さんの年齢が人工ひざ関節を比較して若くなるのもうなずけます。
股関節の痛みを抱え、治療選択に悩まれる方の参考になれば幸いです。