前回の続きです。
病的(病気)あるいは外傷(けが)を負った股関節では、この安定性と可動性が制限されることになるわけで、歩行はもちろん、更衣・靴下着脱・足の爪きり・車の運転・物の上げ下げ・階段昇降といった幅広い日常生活動作が制限されてしまいます。
前回もお話ししましたように股関節は下肢と骨盤を繋ぐ関節で荷重関節(体重を支える関節) として重要な役割をしています。
歩いている時には体重の2.5~3倍の圧迫力が股関節に加わり、走っている時には体重の5.5倍に増加するとされていて、階段昇降、椅子からの立ち上がりでは、体重の6-7倍の力が、さらに、床や低い位置からの立ち上がりでは、10倍の力が股関節にかかります。
普段の日常活動でさえも非常に高い関節力が生じます。この大きな関節力を分散させて関節を保護するためにこの安定した構造が必要となるのです。
股関節(太ももの付け根)のお話②
公開日:2011.09.03
最終更新日:2021.06.16