代表的な②骨切り術をご紹介します。
今回は、臼蓋(屋根側)に対する手術です。
*棚形成術(たなけいせいじゅつ)
骨盤から板状の骨を採骨して、これを足りない臼蓋の部分に移植する方法です。臼蓋形成不全が軽い、前股関節症から初期股関節症の場合が良い適応で、比較的手術侵襲が少ない点が特徴です。
*寛骨臼回転骨切り術(かんこつきゅうかいてんほねきりじゅつ)
臼蓋を含めた股関節周囲の骨( 寛骨)を丸くくり抜き、回転移動させて足りない臼蓋を作る方法です。前股関節症から初期股関節症がよい適応で、正常に近い軟骨のある臼蓋を作れる点が特徴です。
*キアリー骨盤骨切り術
臼蓋の部分で水平に切り、横にずらすことにより足りない臼蓋を作る方法です。前股関節症から進行期股関節症まで適応ですが、骨盤が狭くなるので妊娠の可能性がある女性への適応は慎重に行う必要があります。
*ソルター寛骨骨切り術
臼蓋の発育方向を変える手術です。先天性股関節脱臼治療後に臼蓋形成不全の残存する症例で、3-6歳に良い適応となります。
股関節(太ももの付け根)のお話⑯
公開日:2012.01.28
最終更新日:2021.06.16