【変形性股関節症】の治療についてのお話の続きです。
①保存的治療=手術をしない治療法についてのお話です。
*体重管理:股関節の悪い患者さんは、運動も制限されるので、なかなか痩せられないのが現状です。自己流のダイエットで痩せようとすると、既存の機能・能 力を損ない、さらに精神的ストレスも溜まるためよくありません。肥満の方は、栄養士の指導を受けて、しっかりしたカロリー計算に基づいた食事を摂ることを お勧めします。
*運動療法・筋力強化:自宅での運動療法・筋力強化が大切です。大腿四頭筋などの太ももの筋肉や、股関節周囲筋 の筋力強化を、関節に体重をかけない臥位や座位で行う必要があります。自主トレーニングを主体とすべきで、スポーツジムにあるうような器具を用いたトレー ニングは、股関節症の患者さんにとっては、負担が大きすぎ関節や筋肉を痛めたり、軟骨を減らす場合があるので注意してください。
プールでのトレーニングは、股関節症の患者さんにとって理想的な方法といえます。ただし、夏でも冷たいプールは避け、スポーツジムやスイミングセンターの 水温一定のプールで、それぞれ自分の関節の状態、筋力・体力に合わせて行うことが大切です。プール内歩行は、浮力により股関節への負担が軽くなり、無理な く安全に筋肉が鍛えられます。水深は胸の高さが理想的で、胸に水圧がかかるので、呼吸・循環機能も同時に鍛えられます。水泳は、クロールやビート板を使っ てのゆっくりとしたバタ足を行なってください。平泳ぎは、股関節の大きな動きを伴うため、また股関節への抵抗が強く、さらに腰も痛めやすいので、行うべき ではありません。但し、前・初期股関節症の患者さんでしたら、水に浮いているようなゆっくりとした平泳ぎなら良いでしょう。
股関節(太ももの付け根)のお話⑫
公開日:2011.12.23
最終更新日:2021.06.16