A:大腿骨に対する手術 (骨きり術)には以下の方法があります。
- 1. 内反骨切り術(ないはんほねきりじゅつ)
大腿骨を切って内側に倒し、関節の適合性を良くする術式です。大腿骨の付け根付近で三角形に骨を切り取り、股関節からはみ出した骨頭を内側に倒し、骨盤のくぼみにおさめます。大腿骨頭の変形がなく、臼蓋形成不全が軽い場合の前股関節症、初期股関節症に適応します。欠点は下肢長短縮(足が短くなる)及び外転筋筋力(足を外に開く力)の低下です。
- 2. 外反骨切り術(がいはんほねきりじゅつ)
大腿骨を切って外側に倒し、関節の適合性を良くする術式です。大腿骨の付け根付近で外側から三角形に骨を切除することで、骨頭を外側に反らして、骨盤のくぼみにおさめます。大腿骨頭の変形を認める進行期股関節症、末期股関節症に適応します。
- 3. 大腿骨前方回転骨切り術(杉岡法)
大腿骨骨頭を頚部軸を中心として前方に約90度回転させる術式です。大腿骨頭壊死症(だいたいこっとうえししょう)に適応します。